『LIVES』セルフライナーノーツ
『スーパースター』
ある日「スーパースターにはなれなかった」というフレーズがパッと出てきて、それをメモしておいた。
昔は「ロック」ってアンチテーゼの為の手段みたいなジャンルだった。革ジャン着て、社会や学校への不満をぶちまけ、一方で「夢を掴んでやる!」みたいな部分もあった。でも「ロック」が生まれて50年以上経った。“怒れる若者”の為のロックも還暦間近だ。
浜省さんの「i am father」もそうだけど、今は「夢を掴めなかった“怒れる若者”たち」が、世の中の真ん中で生きてる。
でも歳を重ねるたびに、夢ってなんだろう?とか、スターって何だろう?って考える時に、そんなに単純な事で割り切れるものではないというのが分かってくる。表舞台に立ってる人達の方が、実は裏方っぽい要素をいっぱい持っていたり、裏方の人達の方が仕事に対して攻撃的だったり、実際ミュージシャンなんて、殆どが籠もっての地味な作業だったりする。
そんな事を思いっきりポップに作ってみたかった。
ドラムは、ミスチルのジェン。
彼は今回6曲でドラムを叩いてくれた。しかも、2日間で!しかも、殆ど覚えてきてくれてた!
もう、長い長いつきあいだけど、僕のレコーディングでドラムを叩いてもらうのは初めて。
今回彼が叩いてくれることによって、サウンドの一体感が増し、レコーディングブースが一つしかない僕のスタジオなのに、“バンド感”を与えてくれた。
『LIVES』の一体感は、彼の貢献によるところが非常に大きいと思う。
ベース、ギターは僕で、ギターソロは今回初めてお願いした秋山浩徳君。
秋山君のギターも素晴らしかった。正確もいいし、かなり気に入ってしまった!
キーボードは上杉さん。今回はデータをやりとりしての作業で、かなり負担をかけてしまいました...。ありがとうございます!
そして、今回エンジニアの阿部君が大活躍!歌録りから編集まで本当にお世話になった。
ミックスは三好敏彦さん。
三好さんも自分のスタジオがあって、もうかなり本格的。完全に『男の隠れ家』(笑)。
三好さんマジックを期待し、今回は半分近くお願いしたのだが、もう期待以上のミックスだった。
Pro toolsというソフトで最近はみんなレコーディング〜ミックスまでやるのだが、昔はミックスしたら、コンソールをバラしてまた次の曲に、って感じだったので、一度ミックスすると、もう後戻りできなかったのだが、Pro toolsはコンピューターの中で全部やるので、再現性が殆ど誤差なし。
「スーパースター」も3度ほどミックスをやり直したが、便利だったな〜。欲しいな〜(笑)。
『大人』
『大人』と『君に出逢えて〜』『エンドロール』は曲作りの最後の最後にできた。
この3曲がないと実にアップテンポのアルバムになっていたと思うけど、最初はそれでもいいと思ってた。
でも、バランスを考えて「やっぱりミディアムもあった方がいいか」と、一気に作り上げた。
確か、つんく♂君と晩ご飯を食べた夜にこの曲のアイデアが浮かんだと思う。
しばらく会わない間に、お互い随分と大人になってる(特に彼は!)。でも、ずっと会ってなくても話してみたら変わってない部分もある。でもそんな俺たちも若い人や子供からみれば、いっぱしの大人なんだろうな、そんな事を歌にしてみた。
今作は、今の等身大のメッセージが果たして「音楽」になるか、「ロックンロール」になるかという挑戦だった。
そして、それは大部分に於いて成功したと思う。
でも、単なる年上の男の愚痴だとそれは「音楽」でも「ロックンロール」でもない。それには「落としどころ」が大事だと思った。この曲は「俺たちきっともう大人なんだよ」というフレーズが最後に、ヒラメキでできた瞬間に「音楽」になったと思ってる。
そして、最初はちょっとアソビの気分で「俺たちもうすぐ40歳だってよ」と、ゆずの「もうすぐ30才」をパロって歌ってんだけど、段々気に入ってきたのと、彼らと一回り違う僕のアンサーソングにしようと思った。
そして!このフレーズ。
実は、清志郎さんの30周年イベントの時ゲストに出たチャボさんが「清志郎!俺たちもうすぐ50才だってよ!」と、大声でシャウトして『いい事ばかりはありゃしない』を歌い始めたのだが、それに影響を受けての歌詞になってる。
あの時どんな気持ちでチャボさんが言ったのか、まだ50才になってない僕だけど、何となく理解できるようになった。
自分たちは何も変わってないのに「もう50才だってよ!」って気持ちだったのかもしれない。
だから、あの部分はゆずとチャボさんへのオマージュなのだ。
ドラムは小田原豊さん。ベースは高水健司さん。キーボードは上杉さん。
そして!ミックスダウンは、僕(笑)。
平沼さんにもアシストしてもらいながらだけど、頑張りましたぁ〜。
僕のコンソールは70年代のものっていうのもあるが、三好さんの音に比べると実に古い(笑)。
手垢がつきまくりって感じ。でも僕しかできない“味のある”音を目指した。
エフェクターなど、あまりギミックは使ってない。でも最初のトライにしては100点を上げていいミックスになったと思う。
『アイデア』
『アイデア』のアイデアは(笑)、友人のパーティーでのBGMでかかったWEEZER。
ま、この手のバンドにすっかり疎くなった訳だが、この時聴いた曲がよくて、影響されてすぐ作った。
結局僕が好きなのは、ノイジーだろうが、ヒップホップだろうが、過去の意匠の佇まいを感じさせる音楽なんだと思う。
この時聴いた曲でも、音はノイジーだったけど、印象は50年代のアメリカンポップスだった。
ドラムはジェン。ベース、ギターは僕という二人だけの演奏。
ミックスは三好さんなのだが、実は最初は自分でトライした。しかしこれが悲劇の始まりだった(笑)。
何度チャレンジしてもうまくいかなかった。確か2曲目のミックスだったのだが、1曲目がかなり上手くいって、ご機嫌で臨んだ後だっただけに「やっぱり向いてない、やらない方がよかったかも」とたちまち絶望のどん底に(笑)。多分3日は掛けたと思う。
原因としては、歌がデモテープの時のデータだったのだが、これがどう処理してもオケと混ざらない。
デモの時はいい加減なもので、録音レベルも適当。しかも安いマイク。それだけではないと思うけど。
結局、三好さんにお願いしたのだが、さすが!
ミックスデータを見せてもらうと、僕にとっては謎の処理が沢山施されていた。例えば低音処理のソフトだったり、歌には別のマイクのシュミレーションソフトを入れていたり(つまり、安いマイクがそのソフトを使うと高級マイクの音に変わる、理論上では)、イメージ通りの音になった。
曲の方も、清志郎さんの「私立探偵」とかの“可愛いキヨシロー”路線に影響されてると思う。
昔出たRCの本の中に清志郎さんの「作詞ノート」が載っていて、その中にも「アイデア」って曲があった気もする。
という事は、僕は中学の頃から清志郎さんの恋愛観をずっぽり植え付けられてるんだろうか?
『Boys & Girls』
この曲だけ、遊びで去年の年末にオケを作っていた。
イントロのフレーズが浮かんで「ゴダイゴがロックしてる感じ」をイメージした。
ゴダイゴ、甲斐バンドなどは、僕が小学生の頃で、とても大人の人達で、しかも家はあまりテレビを見せてもらえなかったので、彼らが流行ってた頃は特に見れていなかった。だから学校で友達が口ずさんだりしてるのを聴いて、覚えてたりしてた。
そういう音楽って、コンプレックスみたいなものがある。「あの時ちゃんと聴けなかった!」みたいなね。
そのオケを作った時点で仮タイトルは『Boys & Girls』だった。何故か。
ドラムはジェン、ギターは秋山君、ベースは松原秀樹さん、キーボードは上杉さん。
松原さんの黒いソウルフルなベースは日本一!「チョッパーは久しぶりだな」と言いながら、ご機嫌なプレイを披露してくれた。
秋山君のギターもキレがよく、プレイもうまく、数テイクでオッケー。
コーラスは、FCロデオのみんな。
サッカーの後、ヘトヘト状態で来てくれた(笑)。レコーディングが初めてというのもあるし、芸人という性分からか、叫ぶよりも表情に命を賭けてる人もいた!とにかく、数曲分、一気に叫んでもらった。こっちは緊張しないように、お菓子やビールを用意して、気分を盛り上げた。
ミックスは三好さん。
「この曲が一番難しかった」って言ってたな。何かpro toolsの波形が超細かかった。
僕は三好さんのミックスの“フレーム感”が好きだ。
僕のミックスには“フレーム感”がまだない。。。
『君に出逢えてよかった』
この曲も駆け込みで完成した曲。
なので、一気に作った。なので、ディテールを余り覚えていなかったのだが、出来上がってみると「完成度高い!」と我ながら思ってしまった(自慢)。
特に、2番の歌詞の流れ。あれは考えても中々できない(笑)。あの辺りは本当に“一筆書き”だ。
「君のおばあさんのそのまたおばあさんは...」ってフレーズって、昔話ならまだしも、ポップスにはならないだろ?って感じだけど、そういうフレーズが今作には、というか今の僕には自然と融合できてる。それが“寺岡呼人のポップス”というスタイルを形成してくれてる気がする。
昔はアルバム作りは“スタイル”から入っていた。「ソウルっぽいの書いたから、あとはバラードとブルースと」。今はまず歌詞とか、歌詞のワンフレーズを浮かべてから、「あ、この曲はロックンロールで遊ぼう」とか、例えばこの曲だったら「スィートソウル風にしてみよう」みたいなね。
そういう意味で、スタイルから入るんじゃなく、スタイルで遊べたのも大きかった。
ドラムは打ち込み。ベースは“黒いベース日本一”の松原さん。ギターは秋山君。キーボードは上杉さん。
隠し味として『あとどれくらい』の時のドラムをループさせてる。
秋山君のギターも、実にいいフィーリングを出してる。
そして、ミックスは三好さん。
この低音の処理は、僕じゃできない!
ナイスミックスです。
今回はボーカルマイクに、新しいのを手に入れて、それが大活躍。
これも気に入ってる。
『アイランド』
この曲、アルバムである意味一番好き。
というのも、この曲は「アイランド」っていうテーマはあったけど、全然曲が書けなかった。
で、何も考えずエレキを持ってコンピューターの前に座って、リズム走らせて、ギターのリフから作っていった。
ま、いわゆるハードロックとか、ヘビメタの作り方なんだけど、僕はあまりこういう作り方をしない。
メロディーを主点に書くので、始めにメロディーがないと、基本的には書いたことがないのだ。
でも、この時はずっとエレキでリフを模索していて、ある瞬間イントロのフレーズが出来た。
そして、そのフレーズと同じメロディーをユニゾンするという、これもあまり僕の曲ではない方法をとってみた。
今回のテーマである「バンド感」が、ここで見えた。
というのもあり、この曲が出来た時の高揚感は忘れられない。
この曲により、僕の中の『LIVES』がみえたと言っても過言ではないからだ。
この曲は、別に何処に住もうが全然構わないのだが、ただ日本人はひとつ「これ」となったら、みんなでそれに追従する性格があって、それを皮肉った曲だ。「韓国ブーム」になったらみんなで「韓国!」、「ジンギスカン」が騒がれたらみんなで「ジンギスカン!」。
その逆をいく、勇気を持っていかないとね。
ドラムはジェン。ギター、ベースは僕で、ギターソロは藤井一彦。
ジェンの暴れっぷりが格好いい!もうバンド感満載。そして一彦のソロの“破綻”具合も曲にピッタリ!
彼は僕のレスポールを弾きながら「レスポールもいいな」と、普段余り弾いてないレスポールを弾いてくれた。
ミックスは僕。
結構、70年代なミックスになってると思う。
ちょっと、低音足りないのが悔やまれるが、それも逆に70年代っぽい!と思って、自分を慰めている(笑)。
『Born To Loose』
ま、もろルーリードな訳だけど、知り合いのカントリー好きの人が「『Born To Loose』って有名なスタンダード曲は“生まれながらの負け犬”って意味だよ」って言っていて、『Born To Loose』といえば、ジョニーサンダースなどのパンクのイメージがあったのだが、思わず「格好いい」と思い、即『Born To Looseっていうタイトルの曲』を作ろうと思った。負け犬の遠吠えっていう言葉もあるけど、じゃなくて挑んで負けた犬と、何もしないで逃げてる犬では大きく違うように、この曲は挑んで負けた犬の叫び声にしたかった。
それができたら、後は浮かんだイメージをどのスタイルで遊ぶか、ってなる。
敢えて、パンクではなく、ニューヨークアンダーグラウンドスタイルで遊んでみた。
ドラムはジェンで、ギター、ベースが僕、そしてピアノがリクオさん。
ギターは、一番最初に曲を模索してるときに弾いたテイクをそのまま使ってる。
この味は、多分弾き直しても再現できないと思ったからだ。何か適当にエフェクターをかけ、ワウペダルも踏んで弾いたな。
ジェンはこの単純がゆえに難しいビートを見事に叩いてくれている。
段々、後半に向けて盛り上がっていくドラミングは最高だ!
そして、リクオさん!
僕のレコーディングは初の参加。
去年、久しぶりに埼玉鶴川座で再会して、それが今回のレコーディングに繋がっている。
この、日本人離れしたプレイはどうだ?す、凄い!
ミックスは僕なのだが、このリクオさんのピアノをさらにコンピューターのプラグインで歪ませ、粗くしてみた。
この曲のミックスは、あっという間に終わった。多分2時間ぐらい!
そうなのだ、ミックスも迷わずいけたものが一番いいのだ。
ライブでやるのが、楽しみだな〜。
『カメレオン』
「今の日本って『カメレオン』みたいだな」と思ったことが、この曲のきっかけ。
主義主張も持たない。持たないというより、持つ勇気がない。
アメリカの顔色ばかり伺ってる、忠犬のようだ。
同じ同盟国でもドイツは、イラク派遣には反対をした。
そして、イラクには大量破壊兵器はなかった。ドイツは正しかった。
世界の動きをもっと、クールに見て行動して行かなければ、いつまでも目の前の飼い主にゴマすってちゃダメだ...。
今回のアルバムは、バンド感をすごく出したいと思っていたので、このテーマにはこの「ホンキートンク」なサウンドで遊んでみたいと思った。
中々、こういうド真ん中なサウンドをやってる人は少ないかもしれない。
一緒にギターサウンドを考えてくれた藤井一彦がメールで「ヨッヒーだから、こういうのをさりげなくやるのは格好いいよ」みたいな事を書いてくれ、「おっしゃ!」みたいな気分で、レコーディングできた!
ドラムは小田原豊さん。ベースはボクで、ギターは藤井一彦。ピアノはリクオさん。
ミックスはボクで、この曲がミックスダウンの1曲目だった。
この曲は実にうまくいって、これで自信がついた。
とはいうものの、平沼さんが録ってくれたサウンドがバッチリだったので、ミックスの時は何もしなくてもフェーダーを上げたら、もういい音になっていた。
とにかく、音数が少なかったので、全部の音をトリートメントした。というかしたくなる(笑)。
このミックスの音は、悩まなかった分、気に入ってる!
『Hello,Again』
去年の『徒然道草第二幕』の時に、『潮騒』を久々に歌った。
『潮騒』を作った頃は、ジュンスカ辞める頃で、とにかく「メロディー」「アレンジ」に飢えていた。
バンドで出来なかったコード、サウンドに貪欲だった。
その分、歌詞には悩んだが...。
久々に『潮騒』を歌った時に、「しばらくメロディーやアレンジをないがしろにしてきたかな」と思った。
あの頃に比べて、メッセージやフレーズに関しては全く迷わなくなったけど、『LIVES』では、自分の特徴の一つである「メロディー」をもう一度再発見したいと思っていた。それと同時に、よりバンド感のある曲『カメレオン』や『アイランド』『Born To Loose』などとの融合。
しかし、弾き語り体質が染みついてしまったのか、中々そういうメロディアスな曲が出てこない。
ソロになって、自分がなりたかった方向の一つがユーミンの世界の男版だが、そういう曲も“曲”は書けても歌詞の世界がイマイチ浮かばなかったりした。
そこで、ひらめいてしまったのが(笑)、大江さんだ。
大江さんに『呼人の部屋』に出てもらった時に、例えば大江さんの『ゲームオーバー』を歌って、歌詞の世界は学生っぽいのに、ボクの年齢とか関係なしに感情移入して歌えた。フランクシナトラだって、プレスリーだって、歳をとってもティーンエイジャーの事を歌ってた。
考えてみると、僕等は歳をとっても、音楽は歳をとらないわけで、いくつになっても“何歳の世界”でも歌えるっていうのは素晴らしい事だ。
とにかく、大江さんの曲を歌って「こういう世界を次のアルバムに入れよう」と決心したのを覚えている。
でも、まだそういう曲を書くにはリハビリが必要だった(笑)。
そこで、ひらめいてしまったのが「そうだ、大江さんに曲をお願いして、その曲を“寺岡呼人のうた”として歌うことによって、今後メロディアスな曲を作っていくうえで、いいきっかけになる気がする!」
そしてツアー中で忙しい大江さんにお願いをしたら、「喜んで書くよ」との返事!
いや〜嬉しかったな。
そして、しばらくして大江さんのデモが届いた。
ホテルで録音したらしい、マイク一発録りの雑音だらけの音。でもその雑音の中からあのメロディーが聞こえてきた。
それは、ゾクッと鳥肌が立った瞬間でもあった。
「これを自分のモノにしたい」と、直ぐに歌詞を拾って、自分でコンピューターに打ち込み、デモを作った。
すぐ大江さんにメールでデータを送った。「早いね!でも、既にイイ感じ」と返事を頂いた。
そして、歌詞のやりとりでも何度も何度も嫌な顔一つせず、丁寧に直してくれた。
そうして出来たのが『Hello,Again』だ。
懐かしさと、ほろ苦さ。80年代のキャンパスストーリーのような世界。
まさに、ボクがやりたかった、望んでいた“メロディアスな曲”だった。
ドラムは、林立夫さん。
もうこういう曲を叩いたら、日本一、いや世界一かもしれない。
ボクの曲では『ファンタジア』『さよならアンナ』『コスモス』など、名演を披露してもらっている。
『Hello,Again』でも、決して打ち込みでは出せないドラマが展開される。
そして、ベースは高水さん。ギターは松原正樹さんという、まさに最強のユーミンサウンド!
音数は少ないのに、全くスカスカにならない。素晴らしいマジックである。
キーボードは上杉さん。このストリングスアレンジは泣ける!
そして、ピアノは大江さん。もう“歌心”いっぱいのピアノである。これまた泣ける!
ボーカルテイクも、イイ感じだと思う。中々デモを超えられない事が多いんだけど(笑)、これは超えた!
『Hello,Again』。これからもずっと大切にしたい1曲になった。
大江さん、素晴らしい曲をありがとうございました!
『エベレスト』
この曲は、最初に頭に浮かんだのが「ヒマラヤには貝殻がある」という昔読んだ本。
それと、単純に「wow!」というコーラスの曲が欲しいと思っていたので、それを合体させた曲。
それは、浜田省吾さんのライブに行った時に、「wow!」というフレーズが沢山出てきて「格好いい!こういう曲が欲しい!」と思ったという、単純でミーハーな理由(笑)。で曲調は、ちょっとバンドブームっぽいかな(笑)。それはあまり強く意識してはいなくて、ドラム、ベース、ギターというシンプルなサウンドにしたかった。
ドラムは盟友、小林君。
ベース、ギターは僕。
コーラスは、FCロデオに歌ってもらったけど、後で入れた小林君のコーラスがあまりにもロックだったので(笑)、そっちをメインにした。
この曲もミックスは僕なんだけど、本当に難しかった!
音数はこんなに少ないのに!フェーダーを上げると、モコモコ。
ミックスの難しさを本当に実感した曲だった。
ライブでは浜省さんのライブのように、拳をあげて盛り上がろう!
『エンドロール』
始めは「エンドロール」の詞のイメージをメモって、内容は気に入ってたんだけど、曲にするのは難しいだろうと思い、それ以来手をつけなかった。今回デモの最終段階で「ミディアムが少ない」という事になり「出来なくて元々」っていう気持ちでトライした。
でも、何パターンも試したな。ICレコーダーを聴くと笑えるかも。「こんなメロディーもあったんだ」と。
せいぜい100年の人生の中で、どれだけの人と出会えるんだろう。
100年かけても、48億人とは会えない。1億人も無理だろう。
なら、その中で出逢えた奇跡のような人達は、出逢う意味があるから出逢った人達だ。
いい映画というのは、その数時間別世界へ連れていってもらえる。
音楽も同じ。歌を聴いてる間、そんな世界へ連れていってもらえる歌が僕は好きだ。
それをイメージして、作ってみた。
ドラムはジェン。ベースは高水さん、キーボードは上杉さん、ギターは僕。
ジェンが叩く前に「『エンドロール』好き」って言いながら、叩いてくれたのが印象深い。
ミックスは、ベーシックを山内さんにやって頂き、微調整を僕がした、共同ミックス。
エピローグ
このアルバムを一言でいうとどうなるんだろう?
ストイックにこの1年8ヶ月曲を書き続けたわけではない。テーマというテーマもない。
ただ真っ白の藁半紙を前に、一筆で一気に書き上げたような作品だ。
でも、それができるうちはまだクリエイティブな感覚がある証拠だとも思う。
今の僕のロック、ブルース、ソウル、ポップス、それが全部そのまま真空パックで入ってると思うし、自信にもなったアルバムだと思う。毎回言ってるけど「これがデビューアルバム」だと本気で思える!それぐらい「寺岡呼人の音楽」がやっと形になった気がする。
さ、このアルバムを従えてツアーに出て、そこでまたこのアルバムの曲達を成長させて、どんな進化をしていくのか今から楽しみ!
最後に、このアルバムの少ない予算をやりくりして奔走してくれたタカオリ、これまた沢山の時間を割いてレコーディングを手伝ってくれた阿部君、素晴らしい音をレコーディングしてくれ、僕のつたないミックスも手伝ってくれ、そして最高のミックスをしてくれた平沼さん、何度もミックスの直しをお願いして迷惑を掛けても、何度もトライしてくれた三好さん、そして、この最高に格好いいジャケットをデザインしてくれた藤川さん、それをコーディネートしてくれ、キャンペーンも一緒に回ってくれた西山さん、みなさん、本当にありがとうございました!