ロンググッドバイ
私立探偵呼人の事件簿
2003.1月号
○月×日
お疲れモード
ゆずのPVがやっと出来て、そしてレコーディングも無事終了!
わーい、ぱちぱちぱちぱち!
思えば去年の夏あたりから始めたから、随分と長丁場になった。
とにかく、みなさんお疲れさま!
そして、僕は自分へのご褒美で翌日を溜まりまくってたDVDを1日中観るデーにして『ブレイド2』『大脱走』『スパイダーマン』を立て続けに観た!さすがに少し疲れたが、でも健全な疲れ方で気分転換になったと思う。
『ブレイド2』以外はもう観てるんだけど、『大脱走』の“デジタル・ニュープリント”の必殺殺し文句にやられ、買ってしまったのと(笑)、今世界中が話題の(?)『20世紀少年』の中の1シーンで牢獄にいるオッチョが角田に、少年時代テレビで観た『大脱走』の話をして、話の結末を知ろうとする角田に「生きてここから出て、映画を観て誰が生き残ったかを確かめるんだ」っていうシーンがあって(登場人物など、細かい説明は割愛させていただきます)、その中で、役者の名前が出て来なくてケンヂが「ナポレオン・ソロの相棒役」って言ってる場面があって、オッチョはそれがデビット・マッカラムと知ってるという下りが結構好きで(笑)、デビット・マッカラム見たさにもう一度観た(このメチャクチャな説明わかるだろうか)。
結局、エンドロールで役者の名前が出て来たので、顔と名前が一致したのは終わってからなんだけど、さすが、“デジタル・ニュープリント”!色が鮮やかでキレイだった!そして、スティーブ・マックィーンの運動神経の良さ!スタントマンなしでバイクを乗り回す姿は本当にカッコイイ!
『地獄の黙示録』のマーロンブランドがやったカーツ大佐の役、最初はスティーブ・マックィーンに依頼してたらしいけど、観たかったな!マックィーンのカーツ大佐!マーロンブランドは太り過ぎて、「顔を映すな」と言って(なんじゃそりゃ)、脚本が変えられ最後は死ぬ事になったけど、元々の脚本はアメリカ空軍のヘリに向かって機関銃を撃ちまくるシーンで終わるらしい。それをマックィーンがやっていれば!
ただでさえ名作なのに、どんな作品になっていたんだろう!
今山田洋次モードになってるからかもしれないけど、生前渥美清は撮影が終わると全く連絡が取れなくなってたらしい。
そして、なんとなくスタッフも役者も撮影の時期になると自然に集まって撮影が始まる。『寅さん』の現場はそんな感じだったらしい。
ゆずの現場もそんな風になっていけばいいな。
○月×日
『幸福の黄色いハンカチ』
キヨシローさんジャケット、謙二からも「ええぞ」とお墨付きをもらった(笑)。
RC世代から羨望の眼差しで見られてる僕なんだけど(超思いこみ!)、音楽とか生き方でキヨシローさんにお返ししないとね!
この前何年か振りに竹下通りを歩いた!ここは高校生の時一緒に上京したケースケと「まずは原宿じゃ」とか言って、おのぼりさん剥き出しでやってきた。店の感じは変わってても、地形とか雰囲気が変わってないので、ある意味こんなに変わらない場所も東京では珍しいんじゃないかな?って思った。
そして、ビートルズショップに入ったら『ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!』のオリジナル盤があって、超欲しかったけど我慢した。しかし、アナログ盤って夢があるね。昔の子供は音楽にこういう夢を重ねられたんだよな。好きになるはずだよ、音楽。
そして、『たそがれ清兵衛』熱が冷めやらぬ僕は、『幸福の黄色いハンカチ』のDVDを買った!
何年振りだろう?相当久しぶりに観た『ハンカチ』。武田鉄也若い(笑)。逆に健さんの変わらない振りにもビックリ。そして、ラストではまたまたグッと来てしまった。特典映像で山田洋次インタビューがあって、あの頃の健さんはヤクザ映画のイメージしかなくて、ああいう作品に使うっていうのはあまり考えられなかったそうだ。そして健さん自身も丁度方向性に悩んでた時期みたいで、そういう中で撮影されたって事は当時は当然知らなかった。
今でこそ、僕らは逆に健さんのヤクザ映画のイメージよりは、『八甲田山』とか『南極物語』などのイメージの方が強いけど、そういう経緯や葛藤があって人は何度も脱皮していくのかもしれない。『たそがれ』の真田広之だって、随分アクションスターのイメージからの脱却に悩んだっていうし、それは僕にだって何度かあったし、そうやってあの映画を観るとまた味わい深く観る事ができる。
ラストシーンの構図、もっといい演出もあったんじゃないかという声もあったそうだが、僕はあの構図で良かったと思う。
あれこそ、健さんらしさ、日本人らしさが出てると思う。絶妙!
こうなったら『遙かなる山の呼び声』も観なきゃ。
あのラストシーンの場所、まだ保存されてるんだって!いつか行きたいな。
○月×日
言葉にできない感激
来月出る『CRY BABY』.。
な、なんとキヨシローさんがジャケットを描いてくれたのだぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!
初めてに目にしたときの鳥肌はそれはもう凄まじかった!
まさか、こんな風に描いてくれるとは思ってもみなかったから。
下をよく見ると“George for yohito by Kiyoshiro”と描いてあるではないか。そういえば以前キヨシローさんのライブで「寺岡呼人はジョージに似てる」っていうようなMCをしてた噂を聞いた事があった。つまり、ジョージと僕を合わせたイラストということかな?でも、そんな細かいことはどうでもよく、とにかく、「コンパクトアルバムには勿体ない!」とデザイナー含め、スタッフが唸るほどのインパクトだったのだ。
思えば、中学の時からキヨシローさんの描くサイン、メガネブタっていうキャラクターを真似ては色んな所に描いてた。そして、倉敷ライブの時に念願のRC全員のサインつきレコードをがんばって買った。しか〜し、不覚にもそのレコードを会場に忘れて帰る失態を犯してしまい、サインはおろか『PLEASE』というアルバムまで失った。だから上京して中古レコード店で『PLEASE』をゲットしたときは「あーリベンジできた〜」と感慨にふけったものだ(笑)。
それが今回、サインどころか僕の肖像画だぜ!
20年前、こんな事が想像できたか?おい!呼人!だ、大丈夫か??
しかも、この絵、なんとB2サイズのかなりデカイもの。現物は更に感動を呼ぶ!
今家の何処に置こうかドキドキ中(笑)。
そして、その『CRY BABY』には『キヨシローに憧れて』が入ってる!う、美しい(自分で言うな)。
○月×日
『たそがれ清兵衛』でがんす
僕の知り合いに金戸覚という男がいる。
彼が年始に「『たそがれ清兵衛』観たほうがいいよ」って言ってて、彼は感動屋だから「そこそこの映画でも感動するんじゃないの?」と、その時は軽く聞いていた。で、先日『ブレス』の連載で、試写会を観る事になり、お目当ての『レッドドラゴン』が満員でダメでその日はキャンセルしようかという話になった時、ふと金ヤンの「『たそがれ』観た方がいいよ」という台詞が蘇り、調べたらその日で終わりって事が判明。で、時間も丁度よかったので我々は千秋楽の『たそがれ』を見に行く事になった。
まー詳しくは『ブレス』を読んでもらうとして、とにかく感想を一言で言うなら
「金ヤンありがとう!!!!!!」
いやー本当に素晴らしい映画だった!
久々に涙したし、入り込めたし、「日本人って素晴らしい民族だったんだ!」って思った。
山田洋次監督の凄いところは、敢えて大仰な演出をしない、日常の断片を切り取った中で人々を笑わせ、感動させることだと思う。僕もプロモーションビデオを作ってると、見せ場のところは凄く構図とか考えたりする。でも、山田洋次は「え、そこまで」ってこっちが思うくらい、普通の構図で進んでいく。スローモーションも使わないし、広角レンズや望遠レンズもあまり使わない。あくまでも普通の目線で撮っている。
そういうのって、誤魔化せないから、大変な才能がいる。
まーとにかく、映画を観終わって「このまま日常に戻りたくない!」って思えた映画だった。
そして、またまた先日、ゆずの新曲『青』のプロモーションビデオの撮影をした。
そう『サヨナラバス』以来の監督業復帰(笑)。
これから編集だからまだ出来てないけど、何処かで観る機会があったら是非チェックを!
○月×日
渾身のビート
ここ最近はゆずのレコーディングが続いてる。
今度2月頭に出る『青』っていう新曲はドラムがなんと小林君、そんでベースが(エレキもだけど)僕のジュンスカコンビ(笑)。そもそも発端は僕のGCのラママにゆずの2人が観に来てて、そこでの宮田君のライブに感銘を受けた北川君がすぐに作った事が始まり。
その頃、3人で集まってはデモテープを作ってたんだけど、北川君が「仮タイトルは『宮田和弥』です!」って言って高揚した感じで、その場で歌った事を思い出す。それで「この曲は小林君に頼もうか?」って盛り上がった。
小林君は相変わらず可愛くて、すぐメールが来て「どんな曲?難しい?デモテープある?」って聞いてきた(笑)。
だから「いやいや仮タイトルが『宮田和弥』って言うぐらいだから全然問題なし、いつものような感じで!」って返したら、「いや!どんなデモテープでもいいから、とにかく聞かせてくれ。今から家に取りにいってもいいから」と、凄い早い返事!
なので、バイク急便で送ってもらった。普通スタジオミュージシャンの人とかって事前に「デモテープください」っていうのないから(鈴木茂さんは欲しいって言ってたな)、こういうのってアーティストとしては嬉しい事だよね。
で、レコーディング当日。テイク3ぐらいで終わり「お疲れさま〜」と無事終了。すると、ドラムを片付けてる小林君が「おい!」と、あの怖い顔でこっちを見ながら小声で僕を呼んでる。「何?」と言うと「ホントに大丈夫かよ?」って聞いてきた(笑)。「全然問題ないよ」って言っても「2人とも気にいってんのかよ?」と真剣な顔で聞いてくる!バッチシだったのに、このやりとりは面白かった。
ところが、家に帰って聴いてみると、どうもプレイはいいんだけど音がイマイチ抜けてないなと思い、またまた小林君に電話して「プライベートスタジオ(studio CRY BABY)に来て、もう一度録り直してくれない?」って頼んだ。そうしたらすぐにまた電話が掛かって来て「オレのプレイがダメなら正直に言ってくれ!」と真剣な声で言われた(笑)。「いやいやいやいや!単純に音の問題だから!それだけだから!」と必死で説明(笑)。
そんなジュンスカコンビ約10年振りの渾身のビートをじっくりと味わってください。
ゆず『青』です。
○月×日
新年会
先日、我が家で新年会をやった。
こういう集まりって、やんなきゃ平気で10年ぐらいやんないけど、やると集中して集まったりするもんなんだなー。
年末にも集まったばかりなのに(笑)。
今回は謙二、金やん、ケースケ、チク、宮田、小林君に加え、ゆず、川西君、石田君もやってきた。
思った以上に集まりまくり、子供や犬もいて、自分の家じゃない雰囲気だった(笑)。
そして、弦が切れるまでみんなで歌いまくり大会!
集まってワイワイやるのは楽しいけど、一人ずつ帰っていくのを見送るのって結構寂しいもんだ、主催者的に(笑)。
子供の頃、遊びに来た友達が帰る時の一抹の寂しさのようなね。主催者の宿命か......。
広島のおばあちゃんの家に行ったり、ここ最近の世界の情勢を見たりするにつけ「1日の糧に感謝しながら慎ましく生きていかねば」と、身を正そうとするのだが、東京に帰ってしばらくすると、また「〜が欲しい」とか「〜いいな」とか、物欲の虫が騒いでしまう(笑)。
考えてみれば、僕のまわりはヴィンテージものだらけになってきてる。車、カメラ、時計、楽器、オーディオ、音楽、音楽機材、家具....。これは何故だろう?でも現代のほとんどの車が何年後かにはヴィンテージとして、価値があがるとはとても思えないんだよなー。“骨董的価値”でそういうものを集めたいんじゃなくて、“いいモノ”が欲しくて探していたら、コストを考えずいいモノを作ってた時代のものに行き着いてしまうだけの事なんだけど。
というわけで、またまた1950年代のアンプが欲しい僕なのでした(笑)。
○月×日
10時間の帰郷
正月明けて、遅ればせながらの帰郷をし、昨夜は家族で湯原温泉に行ってきた。
湯原温泉は僕の生まれた岡山の津山に近い山あいにある温泉場で、初めていった。
福山に帰ってきて、家の車で田舎の町を走らせたら、地味にマイナーチェンジしていた(笑)。ただ、僕のお気に入りの場所だけは何も変わってなかった。あの場所は日本の中でもそうそうないと思うほどの場所だ。変わってないといえば、面白かったのが、本屋とか、食べ物屋は結構なくなっていたが、病院は20年以上前のものがイッパイ残っていた。
後、カメラ屋、時計屋など残っていたものもあって、嬉しかったのと、駅前に通称“タコ公園”っていうのがあって、そこはタコの形をした滑り台があったんだけど、色を塗り替えてそのまま残っていた(笑)。公園の周りはガラッと変わっていたが....。
そういえば、帰る日飛行機が広島上空でUターンし、羽田に戻って、新幹線で福山に着いたのが家を出て10時間後(笑)。
イヤー、病み上がりだったから大変だったが、「墜落よりいいか」と言い聞かせた。
しかし、10時間もあれば余裕でハワイまでいけたな(笑)。
今年は1ヶ月ぐらいハワイで過ごせたらいいな!!
○月×日
がしょーーーーん!(賀正)
寝正月!
といっても、寝込んだ正月(笑)。
いやー、せっかくの正月なのにずっと家で寝てたぞ!
その分、紅白を観たり(中島みゆきは素晴らしかった)、天皇杯、箱根駅伝など、正月ならではのイベントも堪能できたし、まーいっか!って感じなんだけど、それにしても去年後半は風邪っぴきだったなー。でもひとつ教訓をつくった『多少の事なら薬を飲まない!』。
こんなの当たり前なんだろうけど(笑)、僕は風邪の気配がしただけですぐ弱気君になって、早目早目に薬を飲もうとしてしまう癖があるので、今回はノードラッグで戦う事にした!すると、確かに治りは遅いのだが「薬を飲んでない」という気持ちが結構心強くて、嫌な感じにはならない。
まー、高熱が出たら駄目だけど、ノードラッグ革命を2003年は起こすぞ!!
そんな僕のニューアルバム。タイトルが『CRY BABY』、つまり“弱虫”(笑)。
今回は、殆どを僕のプライベートスタジオ(STUDIO CRY BABYと名付けました!)で、録ってミックスダウンもした。
なんかね、良いモノを創るっていうのと、良いスタジオを使うっていうのはどうもイコールじゃないって気がしてたのと、もっと気軽にローバジェットでどんどんレコーディングしていきたいっていうのがあって、STUDIO CRY BABYでレコーディングした訳だけど、ある意味目からウロコ状態になっている。
勿論、最初に牟田君に来てもらってドラムの音の感じを聴いて「これならイケル!」と思って、色んなレコーディング機材を導入した訳で、安上がりだからって余りにも音が悪かったら使わなかったと思う。それが、病みつきになるほどいい感じの音が録れるんだからビックリ!
そして、今やってるゆずのレコーディングでも殆どSTUDIO CRY BABYでレコーディングしてる!
まー、そんな『CRY BABY』が来月には出る。今回はコンパクトアルバムで、何か“狙った”感じの曲を敢えて書かなくてもいい雰囲気がとても新鮮だった。トータル感もあるし、曲もいっぱいあるし、これは癖になりそう(笑)。
っていうわけで、新年早々健康の話題から失礼!今年も宜しくね。