ロンググッドバイ
私立探偵呼人の事件簿
2003.6月号
○月×日
シェフよひ
合羽橋で買った中華鍋を使って、最近料理人よひになっている。
つっても、大したものを作るわけじゃないんだけど。始めに、くず野菜とかを炒めて、鍋をならす作業とかをやって、面倒なんだけど、昔グローブを買ってオイルを塗って少しずつ柔らかくなっていって、段々自分のモノになって行く感じに似ていて、「これはオレの道具!」っていう感覚になって、それが嬉しいんだよね。
そういう意味じゃ、キッチン道具欲しいのかも(笑)。カッコイイ男っぽいヤツ。
それで、ゴーヤチャンプルを結構作ってて、たまにチャーハン。
“ゴーヤチャンプルマスター”を目指して、今年の夏はがんばるぞ(笑)。
あと、2年前に買った、超かっちょいいエスプレッソマシーンがあって、これまた全然活躍してなかったんだけど、最近朝エスプレッソに豆乳を入れて飲んでる。う〜ん、アイアム、イタリア人(笑)。
たまたま、007を見てたら、ジェームスボンドが同じエスプレッソマシーンを使ってて「あ、オレはボンドと同じじゃん」と思って、急に使って見たくなったのだ。それまで、面倒って思ってたけど、全然簡単だった!
そんな事をしてるから朝が忙しくて(笑)。
謙二から「リンクバナーを送ったけー、宜しく」というメールが来たので、見てみて唖然...。
「パクリ」どころか、違法コピー(笑)。って考えてみたら、“○月×日”とかも一緒だし、車も一緒だし、時計も同じメーカーだし、違法コピー疑惑だらけじゃん。コピーコントロールしなきゃ(笑)。でも、あのバナーには笑った(笑)。
○月×日
シャングリラ
先日、ユーミンのシャングリラを見に行った。
前回から、もう4年も経ってたなんて!最初のシャングリラは凄かった。
個人的に大好きな曲も多かったし、何と言ってもユーミンの音楽と、ロシアの人達のショーは圧巻だった。
今回は、そういう意味で「あんなステージを越えられるんだろうか?」という期待と不安が交差していた。
見終わった後、前回とか今回とか、ユーミンのステージは比べるものじゃないなって改めて思った。逗子に行った時もそうだったけど、ユーミンのステージは本当に見見終わった時に「ありがとう!」って思ってしまうほど、ビジュアル的にもショー的にも圧巻されるからだ。
ユーミンは昔からそういう姿勢でコンサートをやってきたけど、今の世の中、あんなにお金を掛けて人を喜ばせる人が他にいるだろうか?それはコンサートに限らず、野球、サッカー、舞台、映画、すべてにおいて言える事だ。バブルの頃は派手なコンサートとか、大手企業のスポンサーがついたりして、でかいイベントもあったが、今やユーミンだけになってしまった。本当にそれだけでも観なくてはダメだと思った。
コンサートの最後、ロシアの人達が全員出てきての大団円。
『坂の上の雲』を読んでたから、「ほんの数十年前はこの人達と血みどろの戦いをして、多くの日本人がシベリアに連れていかれたのか」と全然関係ない事を考えてしまった(笑)。ま、最も秋山好古は日露戦争直前までロシアの軍人とは仲良しで常々ロシアの人達の人格を褒めてたそうだから、人間同士なんてそんなものかもしれない。話がそれたけど、その大団円を観て、このプロジェクトを「やろう!」と言って実行に移したユーミンと松任谷さんに大きな拍手だ!
ちなみに堂島君が横で見てた(笑)。久々だったなー。相変わらず忙しそう....。
○月×日
風街ろまん
『ミュージックプレス』の取材で、松本隆さんに会った。
ここ数年、それこそバンドブームの頃から、アーティストが自分で作詞作曲をするのが主流になり、いわゆる“作家”というジャンルが隅に追いやられた。そして、僕はそのブームの真っ直中に身を置いていたので、“作詞家”“作曲家”“編曲家”というのはある種、仮想敵のようなものだった。
それが最近、あの頃に比べて“残る曲”が少なくなってきたなーって思ってて、それは自分が歳を取っただけで、今の子供達は大きくなったら、僕等でいう「百恵」「聖子」「ひばり」みたいに、今の曲を口ずさんでいるのかもしれないんだけど、それにしても.....と思っていた。
現在、ともすれば、「メッセージ」という名のもとに、質の悪い言葉を羅列してそれが“アーティスト性”だと勘違いして、書く方も、聴く方もどんどんレベルが下がって来てる気がしてて、「CDが売れない」と嘆く前にそういう質を上げるのが大事だと思っていた。
だから、仮想敵であったはずの“作家”の中でも、元はっぴいえんどのメンバーで、当時小さかった僕にでさえ他の作家とはひと味違う作風で、一曲の中に“物語”を感じさせる松本隆さんの存在が近頃すごく気になってた。
なんでもそうだけど、浮き沈みいうのは、才能と言うより時代の流れが大きい。
しばらく松本隆さんの名前は見なかった。当然アイドルの時代は終わったので、“作家”という人自体を見かけなくなってたんだけど。今、松本さんのような人が日本の音楽に必要な気がしてしょうがない。松本さん、助けてください!(笑)。そんな事もあって、家にあった松田聖子の『CANDY』を聴いたけど、いい!個人的には『カナリー』と共に凄い好きなんだけど、こういう詞を聴けない今の子供達は不幸だとさえ思ってしまう。
余談だけど、『CANDY』のミュージシャンクレジットに中西さんの名前が!本当に昔から凄い人だったんだ!
そんな松本さんに会った。
相変わらず緊張してしまったけど、松任谷さん、鈴木茂さん、林立夫さん、そして松本さん、はっぴいえんど〜ティンパンアレイ系の人達ってみんな雰囲気が似てる!独特の上品さがある。山の手感というか。いやいやカッコイ良かった〜。
今夜は大瀧詠一の『雨のウェンズデー』を聴くぞ!
○月×日
さらば、酒とバラの日々?
駒場シンドロームはしばらく続いた!つまり疲れが続いたって事なんだけど(笑)。
そして、段々朝型から夜型に移りつつある〜!く、くやしい〜。きかっけはある日、寝ようとしたら何かくだらなそうな映画をやってて、B級ホラー映画って感じなんだけど、ついつい、不覚にも、何度も消そうとしたのに、観てしまった。気づいたら朝の4時ぐらいになってた。
慌てて寝ようとしたのに、何か目が冴えてしまい、つい夜更かししたのが良くなかったんだと思う。
かと行って、寝坊するようになっても日中の眠さは変わらない...やれやれ。
この間、久々に謙二とカネヨヒst.barで飲んだ。
そういえば、金ヤン会ってないなー、駒場も誘ったんだけど、忙しいみたい。
飲んだといえば、謙二と矢野さんとも飲んだ、というか飯を食いにいったんだけど、石垣以来すっかり「泡盛なら飲める」と自負していた僕は自信たっぷりに「泡盛ください!」と注文した。しかし、どうしたことか全く酒が進まない、いや進めない。「おいおい戻っちまったのか?」と自分を責めるよひ。
やはり“石垣マジック”というか“バケーションマジック”だったのかもね。お土産に買って帰った泡盛もそういえば、全然口をつけてない!
さらば、酒浸りの人生(?)
○月×日
よひ、駒場に立つ!
昨夜は凄い経験をしてしまった。未だに疲労が凄い〜。
なんと、浦和のホームグランドだった駒場スタジアムでサッカーをした!しかも、相手には井原や福田がいる〜!
「なんで、オレがこんな所にいるんだ??」って何度も自分に問いかけた(笑)。
芝生のグランドでやるのも初めてなのに、いきなり駒場スタジアム!しかも相手は元レッズの選手達。
それって、ある意味、素人がいきなりヤンキースタジアムで野球やるようなもんだよね。
こっちは、ディスクガレージの人達が集めた、それでも元Jリーガーとか、高校時代は市立船橋とか、凄いメンツ...。そんな中にいるだけで「恐縮っす」なのに、何故か誘ってもらった。心もとないので、サニーに声を掛けたらサニーもビビッていた。サニーやんは上手いのに〜。
試合の方は、30分を3試合。僕は左のMFとして先発!小野じゃん、小野(笑)。で、でも!1試合目は0-0のドローで終わった!よくやった!僕的にも一度だけいいパスを出せたと自負してる(あくまで私的な感想....)。で、2試合目は休んだんだけど、そこから段々向こうに点が入り始めて、3試合目には圧倒的にやられまくった。すぐ近くで井原が「アップ!」とか言ってオフサイドを仕掛ける合図を聞けたり、福田のPK(はずれたけど)、コーナーからの本格的な攻めや、こっちがコーナーをとった時に、相手が味方に出す指示のプロっぽい事(プロなんだけど)!いちいち感動してしまった。
終わってから、段々疲労が襲ってきて、普段は試合の事を覚えてるのに、全然思い出せないぐらい緊張してたんだなーと思った。
しかし、これでこれから「いや〜、芝生って実は疲れるんだよね〜」って自慢できる(情けない野望)!

↑数々の名勝負を生んだ。駒場スタジアムに立つ筆者。

↑試合の前の記念撮影。おお、気づけば隣りに福田だぁ〜。
○月×日
『超ディラン入門』
『ブレス』の連載でテリーギリアムの『ロスト・イン・ラマンチャ』を観にいった。
制作費50億円の映画が撮影開始後6日で中止になってしまうまでのドキュメンタリーだ。
最近はメイキングビデオというのを必ず撮るのが通例になっていて、結局はメイキングが作品になってしまったという内容だけど、まるでスタッフ、ジョニーデップなどの役者、監督までもが「仕込み?」って思うほど、出来すぎの悲惨な内容(笑えるんですが)。
コレを観た井筒監督が「すべてのクリエイターはこれを観ないとだめだ」って言ってたらしいけど、クリエイターだけじゃなくても、目の前に次から次に起こる困難は誰にでも訪れるもの。だから、それを仮想体験し(笑)、乗り越えようとするテリーギリアムを全ての人が観て元気になる映画だ。
でも、これってCDを出して、そのレコーディングの模様をビデオに撮って人に見せるようなもんだよね。
オレにはできないなー。映画となれば物凄い数の人が関わるから、また違うんだろうけど....。
コッポラの『地獄の黙示録』のメイキング映画も面白かったな!
尊敬する中山康樹さんが『超ディラン入門』というボブディランの入門本を出した。凄いタイトル(笑)。
中山さんはスィングジャーナルの元編集長。大傑作『マイルスを聴け』の著者でもある。中山さんの文章はまるでジャズミュージシャンの演奏そのもので、アドリブやインプロっぽい。だから、書き始めたら恐らく一気に書いてゆくタイプだと思う。その分、乗れなかった“演奏”の日や、ノリノリの“熱演”の日が色んな本を読んでると分かる。ディランの本も以前、その名も『ディランを聴け』という本を出していたけど、僕は今回の方が好きだった。
その影響もあってか、最近またまたディランを聴いている。『超ディラン入門』の“入門の10枚”から(笑)。
今は『AT BUDOKAN』。
○月×日
無菌国家(SARSはカンケーないよ)
なんでも、最近昔話が変えられて出てるらしい。
なんでも、子供のイジメの原因とかで、『桃太郎』も最後は鬼を退治せず仲直りして(T_T)、なんでも『さるかに』も石臼につぶされる場面が変わってるらしい、残酷なんだと....(T_T)。呆れてものも言えないが、これを買って子供に読ませてる親がいたら、尚更呆れるぜ(T_T)。
そんな、無菌状態で育った子供がどんな大人になるのか。イジメはなくなるのか。いやー世も末じゃ。
っていうより、これはその番組でなかにし礼が言ってたけど、「何百年にも渡って語り継がれた物語を変えるなんて、盗作以下。そんなに変えたければ、自分で違う物語を書いて出せばいい」。正にその通り。鬼が退治された話を聞いて、残酷に大人になってたら今頃日本は絶滅してます(笑)。
小学生の頃、手塚治虫の漫画を読んで、例えば『火の鳥〜鳳凰編〜』で、上人和尚が即身仏になる場面がある。
自ら、穴を掘って、その中で死んで、ミイラになって、お寺に奉られるというものだけど、小学生の僕には何のことかさっぱり分からなかったし、ものすごく怖かった。他にも、王の墓に一緒に埋められる人達の場面や、『ブッタ』での自ら目をやく苦行など、残酷なシーンはいっぱいあった。
怖かったし、できれば読まなければよかったって思った事もあるぐらい、目に焼き付いたけど、だからこそ「生」とか「死」に向き合えたんじゃないだろうか?例えば、それが本当に人を恐がらせる為だけのものなら、それは抹殺するべきだし、いわゆる“子供の教育によくない”事なんだろうけど、そうではなく、子供だろうが何だろうが、生きていく限り、いずれ向き合わなければならない残酷さは、ちゃんと見せて、読ませる事も大事な気がする。
昨日、なぎらさんのライブに行ったんだけど、なぎらさんも「土方は土方。他に変わる言葉は見つからないんです」って言ってて、そういう昔からある言葉を簡単に抹殺する日本ってちょっと狂ってる(あ、これも放禁だ)。